東武鉄道の2021年度設備投資計画で気になる点(2)後編

この記事は前回の続きです。

前編、中編と続き今回は車内ビジョン拡充の状況最終回、後編です。

引き続き申し上げますが、

当ブログに掲載する今後の展望は東武鉄道が公式に発表したものではございません。

東武鉄道に問い合わせるといったことはおやめください。

では気になる点3つのうちの2つ目、車内ビジョン拡充後編に入ります。

車内ビジョン拡充の状況

ここまで1画面LCD車であった51076F、51077Fの2画面化工事が完了し、LED千鳥配置車であった51073F~51075Fの2画面LCD全ドア配置化工事まで完了したところでした。

そして2021年度の設備投資計画が発表され、51071F、51072Fにも今年度(2021年度)中にLCD設置工事が施されることが明言されました。

つまり50070型は今年度(2021年度)中にLCD設置工事が完了するのです。

おめでたい!!

と祝福したいところですが、気になる点が残ります。

50050型は??(51008Fを含む)

2018年度の設備投資計画で東武鉄道は次のように発表しました。

2018年度より、東京メトロ有楽町線・副都心線・半蔵門線直通の50000系車両を対象に導入を推進し、ご案内の向上を図ります。

2018年の発表からもう3年経ってますので、半蔵門線直通車両の50000系列1編成くらいはLCD設置工事が完了してていいはずです。

しかしながら半蔵門線直通車両50000系列は現時点(2021/5/21時点)で1編成もLCD設置工事が完了していません

そして2021年度もLCD設置工事がなされないことが確定してしまいました

50050型の近況

50050型は2018年度発表の前から故障や休車が相次いでいました。

煙を吹いてしまうことも2回ほどあり、「SL大樹」と揶揄されてしまうこともありました。

残念なことです。

その状況下で運用はカツカツですから、LCD工事のために車両を確保するのが難しいのはわかります。

ただ3年2か月寝かせて復帰した51068Fや東上線からスカイツリーラインに転属した51008FにLCD設置工事が施されなかったことには疑問を抱きます。

LCDを設置するかと思いきや設置しなかった編成

51068F

51068Fは2016/2/7から運用離脱し、しばらく休車していました。

その間、部品取りになってもう復帰しないかのような様子を見せたり、逆に通電し復帰の兆しを見せたりするときもありました。

そんな状態が3年2か月も続き、東武が重い腰を上げたのか2019/4/27ついに運用復帰しました。

運用復帰したのは50050型、50070型にLCDを設置すると発表されてからちょうど1年です。

ですからこの復帰の機会でLCD設置工事が施されてもおかしくはなかったはずです。

しかしながらLCDは設置されませんでした。

51008F

51008Fはもともと東上線地上用に製造された車両です。

51008Fを東上線で使い続けることに何ら問題はなかったのですが、一方で半蔵門線直通車両である30000系が有効に使えない状況でした。

なお一般的に半蔵門線直通系列の車両のほうが副都心線直通系列の車両より狭く作られています。

そのため東上線用50000系列は地上用車両を含め乗り入れが不可能です。

ところが51003F以降の50000型は50050型と同様の寸法で作られており、半蔵門線に入れます

そういうわけか、なんと2019/12/23に転属回送され、2020/9/28にスカイツリーラインで営業運転を開始しました。

当時は転属前からうわさがたっていましたが、まさか本当に転属するとは思っていませんでしたね~

東上線にゆかりがある私にとって51008Fの転属は悲しかったです。

しょうがない!!

話を戻しますが、51008Fは転属回送から営業運転開始までおよそ9か月ありました。

この9か月の間にされた工事は

  • Wi-Fi設置
  • 車内照明LED化
  • 防犯カメラ設置

です。

それから利用者の目につかないところでは

  • 運転台のグラスコックピット化
  • 半蔵門線ATO対応

といった工事が施されました。

そして肝心のLCD設置ですがなんと

ありません!

いや取り付けないんかーい!

と言いたくなりましたよ。

51008Fは50000系列初の転属車であるから、取り付けをやめたのでしょうか。

それともLCDなど乗客の目につくところ云々というよりは、半蔵門線用ATO導入工事を50050型に応用するための試験的な要素があったのでしょうか。

疑問が残ります。

今後の展望

今後いくつかの展開が予想されますが、現状思いつくのは次の2つです。

  1. 2022年度以降半蔵門線直通50000系列にLCDを取り付け、地下鉄直通車両のLCD化を完了する
  2. 半蔵門線直通用新型車両を製造することによって、地下鉄直通車両のLCD化を完了する

これより書くことは完全に個人的な予想です。

東武鉄道から公式に発表されたまたは車両の目撃情報があったものではございません。

ご注意ください。

半蔵門線直通50000系列にLCDを取り付け

こちらは現時点(2020/5/20)までに東武鉄道から発表された計画にのっとった場合です。

現在半蔵門線直通車両には最後の30000系31609F+31409Fが残っています。

その編成と東上線の51009F(が最も有力)が今年度(2021年度)あたりに交換され、半蔵門線直通車両を全編成50000系列に置き換えます。

置き換え完了後、順次LCD設置工事が施されるでしょう。

半蔵門線直通車両は全部で20編成存在します。

50070型の実績を振り返ると、LCDとWi-Fiの取り付けに2か月半、それに加えて防犯カメラも取り付けとなると4か月半かかっています。

ここで50050型および転属してくるであろう51009FにATO装置を取り付けなければならないことを考慮するとさらに時間がかかることが予想されます。

過去の実績をもとにざっくりと計算すると

20編成全編成のLCD化を完了するには

およそ4年

かかる見込みです。

来年度(2022年度)から工事を始めるとなると完了するのは2025年度中です。

ただしこれは防犯カメラ設置やATO関連工事をしない場合の見通しです。

しかし一方で半蔵門線は2024年度にCBTC(Communication Based Train Control)と呼ばれる新たな運転制御(信号)システムを導入する予定があります。

予想どおりのペースでLCD工事がされる場合は、半蔵門線CBTC対応には間に合いません

CBTCの導入にはATO関連工事も必要なはずです。(運転制御システムについてはいまいちわかっていないので、教えていただきたいです)

したがって2024年度CBTC導入に間に合わせるには、LCD工事を後回しにすることが必至となりそうです。

半蔵門線直通用に新型車両を製造

現時点では、東武鉄道から地下鉄直通用の新型車両導入の発表はありません。

50050型はまだ比較的新しくLCD取り付けの予定もあるため、半蔵門線直通用に新型車両を製造すると考えている人はほとんどいないでしょう。(とはいっても初期車は登場からもう16年、後期車ですら10年は経っています)

実際スカイツリーラインに転属した51008FにはWi-Fi取り付け工事が施されましたし、51008Fを含む半蔵門線直通50000系列には順次防犯カメラが設置されています。

したがって半蔵門線直通用に新型車両を製造するのは考えにくいです。個人的に特に50050型後期車は好きなんですけどね。

なので50050型にそのままLCDを取り付けるのでも構わないのですが、50050型は登場当初から良い評判よりも悪い評判のが目立つと感じます。

特に前期車は座席評判が悪いですし、また形式全体的に設備が登場年の割に貧弱であり、故障頻発してますから理解に難くありません。

そしてここ数年で東急が古い8500系を2020系に置き換え、東京メトロが8000系置き換えのために18000系を導入する予定です。

今までは古い東急8500系、東京メトロ8000系がいたので、利用客からそんなに見劣りするようには見られなかったはずです。

ただこの2形式の導入で一気に東武50000系列が見劣りするのは確実です。

他社の新型車両導入により、50000系列は唯一の車外行先表示器3色LED、車内案内LED千鳥配置、そして照明の大部分はまだ蛍光管と車両になってしまいます。

上のTwitterのように、安普請だの新型車両??だのとあおられる東武の車両。

地下鉄直通車両にやたら力を入れる東武鉄道がこの状況で黙り続けるとは思えない!!

同じく地下鉄直通車両の東武70000系列は日比谷線13000系と共通仕様です。その影響もあるのでしょうが、70000系列は50000系列や60000系に比べてなかなか気合いの入った車両となっています。

その後まもなく東京メトロは有楽町線・副都心線用に17000系、半蔵門線用に18000系を導入しました。この2形式の仕様はおそらくほぼ同じでしょうし、13000系とも似た部分が多くあるはずです。

東武もこれに目をつけて18000系とほぼ共通仕様の半蔵門線直通用新型車両を導入するのではないかという展開も予想しています。

ところで東武は2006、2007年度に8編成80両、2010年度に7編成70両、2008年度に6編成60両の新型車両を導入した実績があります。

私鉄ではなかなかの両数です。

今年度(2021年度)中に新型車両投入計画を発表し、来年度(2022年度)から7、7、6編成と新型車両を半蔵門線直通用に導入すれば、2024年度の半蔵門線CBTC対応に間に合います。

なお新型車両を増備するにはお金も必要です。

当時の設備投資総額は以下の表に示すとおりです。

年度 設備投資総額 両数
2005 392億円 30
2006 421億円 80
2007 420億円 80
2008 337億円 60
2009 311億円 50
2010 287億円 70

2006、2007年度は420億円も設備投資していたのですね。2019年度よりも多いのは調べて驚きました。

リーマンショック発生直前から投資額が下落したのは、何か関係があるのでしょうか。

調査したところ、80両という最大両数を投入した年度の設備投資額が最も高く当然の結果となりました。一方で2010年度は70両投入したにもかかわらず設備投資額が287億円と低い水準となっています。

そしてここ数年も200~400億円程度の設備投資計画です。

以上を踏まえると、新型車両投入による半蔵門線直通車両LCD化の可能性もないとはいえません

ちなみに上記の計画が実施され余剰となった50050型や51008Fは東上線に転属し、10030系や30000系を6両や4両区間に送り出すはずです。これは不可能ではありません。

東上線系統の過半数が50000系列になるので、保守側にとっても都合が良くなるでしょう。

総括

今回は半蔵門線直通車両へのLCD設置に関して2つの展開を考察しました。

順当にいけば①の半蔵門線直通用50000系列全車両にLCD設置が最有力ですが、②の半蔵門線直通用に新型車両を投入する可能性もないとはいえませんね。

51008Fは2019/12/23に転属回送され2020/9/28に営業運転を開始しましたが、一方で51009Fはいまだ転属する気配が見られません。

ただ51008Fがあまりに唐突に転属作業をしだしたので、51009Fも突然(あるとしたら2021年度冬ごろかぁ)転属するかもしれません。

いずれにせよこの計画は51009Fの動きによって決まりそうです!

31609Fと31409Fの動きにも注目ですね。

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